宮古用水の機能と歴史、宮古土地改良区の活動等をご紹介します



 宮古島には川がありません。島の表面を覆っている“島尻マージ”と呼ばれる隆起サンゴ礁石灰岩の風化土壌、そしてその石灰岩そのものの水はけがあまりにも良すぎるからです。ですから、生活用水のほとんどは地下水に頼っています。 
透水性の良い島尻マージは、降った雨を次々と地下へ送り込みます。全国平均を上回る2,000o(宮古全島で約3億5千万トン)の降水は、蒸発散で約50%、地下浸透で40%、残り10%が地表流出する程度です。 地下に浸透した水は、空隙の多い琉球石灰岩を通り、島尻層群で遮水されて、地下水盆形状に貯留されます。そしてその一部は、断層付近や海岸の崖下から湧水となって流出しています。




 宮古島には多くの地下水盆が存在しますが、これらは地域的に、城辺地下水盆群、平良地下水盆群及び白川地下水盆群の3つに大別されます。
地下水はそれぞれの盆状構造の地下谷に沿って流動し、海岸部で湧水となって流出していますが、確認できる湧泉の平常時の湧出量(昭和55年当時)は下表のとおりで、海面下に湧出しているものを加えれば、1日に約20万kuの地下水が海へ流出しているものと推定されました。地下水位の変化は、降水量に支配されますが、一般的には地下水位の最高期は8月及び3月ごろの2回、最低期は6月及び11月の2回見られます。
地下水盆群名 主用湧泉 小規模湧泉(100m3/日以下)
箇所数 湧出量(m3/日) 箇所数 湧出量(m3/日) 箇所数 湧出量(m3/日)
城辺地下水盆群 19,800 350 12 20,150
平良地下水盆群 4,100 300 10 4,400
白川地下水盆群 16,000 100 16,100
その他 900 900
17 40,800 15 750 32 41,550

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